お肌の老化は8割が光老化が原因!そのしくみを解説

光老化とは

太陽光の美容への一番の影響は本当は日焼けすることではなく、徐々に蓄積されて起こるお肌の変化にあります。UV-Bは皮膚の浅いところまでしかとどきませんが、シミやシワを作ったり、大量に浴びることで皮膚がんを発生させる原因になります。

UV-AはUV-Bのような激しい反応はありませんが、とても波長が長く真皮にまで届くため、弾力やハリを保っているエラスチンやコラーゲンを変性させ、皮膚の老化を早めます。

UV-Bの影響も強烈ですが、地上に到達する紫外線の約95%がUV-Aなので、真夏以外にも毎日ジワジワとくる長期的な影響が一番大きいのです。

また、最近ではUV-Aよりももっと長い波長の可視光線の「ブルーライト」も光老化の原因になることがわかってきました。ブルーライトは太陽光以外ではパソコンやスマートフォンのLEDバックライトにも使用されています。それより長い波長である近赤外線は、さらに深く肌の奥まで到達し、細胞内のミトコンドリアにダメージを与えるとも言われます。

こうした光が肌にあたった時に一重項酸素という活性酸素が発生します。一重項酸素は真皮の70%を占めるコラーゲン繊維を破壊したり、コラーゲンの量を減らしてしまうことがわかっています。

コラーゲン繊維は架橋と呼ばれる橋で結びついているのですが、一重項酸素によってこの架橋が変性してしまいます。架橋が変性すると、お肌は硬くなり、深いシワの原因になります。また、コラーゲンの架橋が変性した肌は水分を保持する力も衰え、ハリを失います。これが抗老化の主な原因です。

光線の種類と特徴

光老化の原因となる、太陽光に含まれる光線の種類と特徴を解説していきます。

紫外線

紫外線のUV-Bは短い波長ながらエネルギーが強く、肌表面に炎症を起こし、赤くヒリヒリとした日焼けを起こさせます。皮膚がんや白内障の原因にもなります。

紫外線のUV-Aは波長が長く、雲や窓ガラスも通り抜け、お肌を黒くさせるだけでなく、真皮にまで届くため、弾力やハリを保っているエラスチンやコラーゲンを変性させ、DNAを傷付けます。

ブルーライト

UV-Aよりももっと長い波長の可視光線のブルーライトは、目に悪影響を及ぼすことで知られていますが、実はお肌でも真皮の深部にまで到達してダメージを与えます。

ブルーライトは太陽光に含まれていますが、パソコンやスマートフォンのLEDバックライトにも使用されているので、現代に生きる私たちには意外と影響が大きいです。

近赤外線

ブルーライトなどの可視光線より波長が長い近赤外線は、実はUV-Aの5倍も太陽光に含まれています。紫外線やブルーライトより深く肌の奥まで到達し、細胞内のミトコンドリアにダメージを与え、活性酸素によってシワやたるみを引き起こすことがわかってきました。

近赤外線を浴びると、コラーゲンを破壊する酵素であるコラゲナーゼが2倍ほど増加したそうです。近赤外線は太陽光以外では、テレビ、PC、赤外線カメラ、こたつからも出ています。

光老化しないための心構え

UV-Bは7〜8月がピークですが、3〜6月もピーク時の半分以上の量で10〜2月も降り注いでいます。真皮まで届くUV-Aにいたっては、3〜9月までずっと多く、それ以外の月もその半分以上の量がずっと降り注いでいます。

地上に届く紫外線の約95%がUV-Aで、窓ガラスも雲も通り抜けてきます。5月のUV-Aは真夏と変わらないということを覚えておきましょう。

冬は乾燥しがちなのでバリア機能が弱まり、逆に紫外線の影響を受けやすくなっています。秋冬でも紫外線にあたる時間が長ければ、真夏に受けるダメージに近づいてくるため、実は一年中注意が必要です。

光老化の対策

光老化を防ぐための対策をご紹介します。

・12㎝以上のツバがある帽子をかぶる

紫外線のほとんどがAM10時〜PM2時に集中しています。この時間に外出する時はできれば秋冬でもツバが10㎝以上の帽子をかぶりましょう。ツバが10㎝以上あれば顔の70%はカバーできることがわかっています。

・窓ガラス越しの紫外線に注意

家の中で窓際にいる時、電車の窓際、飛行機の窓際、車に乗っている時、窓ガラスがあるからと油断していませんか?新幹線や飛行機や車の窓ガラスにはUVカット加工がしてあるものが増えていますが、UV-Aまでカットできるものは数少なく、ブルーライトや近赤外線は通り抜けてしまいます。しかも骨を丈夫にするビタミンDを合成できるUV-Bは遮断されているので、窓ガラス越しの日光浴には光老化あるのみと覚えておきましょう。

・サングラスは大きめのものを選ぶ

目に紫外線があたると防御のスイッチが入って、皮膚のメラニン色素も増えるので、サングラスは常備したいもの。ただしレンズの色が濃いと瞳孔が開き、紫外線を吸収しやすくなり、その時レンズが小さいと横から入ってきた紫外線の害を受けます。これを防ぐには色は薄めでレンズが大きいものを選び、紫外線カットの基準は「UV400」のものを選べばUV-Aまでカットしてくれます。また、紫外線透過率の%は低いほど紫外線を通しません。ゼロに近いものがベストです。

・サンスクリーンを塗る

紫外線があたりやすい顔の部位の1位は額、2位は鼻の頭、3位は目じりと頬骨の中央部、4位は頬骨の外側です。1位と2位は皮脂の分泌も多く角質も厚めで、通常シミにもなりにくい部分ですが、問題は3位と4位です。目のまわりや頬は角質も薄く光老化しやすい場所。シミの7割は頬にできるとも言われます。サンスクリーンを塗る時は「頬骨と目尻は2度塗り」を心がけましょう。頰にファンデーションを厚塗りすると厚化粧に見えるので、チークでカバーするのがベストです。

・紫外線を浴びすぎたら冷やす

紫外線を浴びすぎた日の夜は冷蔵庫で冷やしたタオルを顔に乗せたり、冷やした化粧水などを使いましょう。紫外線によって、肌の中にヒスタミンという、神経伝達物質が放出されますが、ヒスタミンはメラニンをつくる色素細胞のメラノサイトにアタックし、メラニンがどんどん作られます。冷却することでヒスタミンの放出を抑制することができ、シミにもなりにくくなります。

・PCやスマホとの付き合い方を考える

液晶画面のバックライトにブルーライトが使われている上に、近距離で画面を見ることが多いので、目も肌も日常的に光老化します。

できれば画面にブルーライトカットのシートを貼り、ブルーライトカットメガネをかけて使いましょう。肌にも負担の少ないブルーライトカットのパウダーをつけておくと安心です。あと、近赤外線が出ているこたつで寝るのは絶対にやめましょう。

日頃から光老化には気を付けよう

いかがでしたか?
光老化は紫外線だけでなく、私たちの生活に欠かせない存在であるスマホやPCのブルーライトでも起こります。なので仕事でパソコンを長時間使うという人や、スマホの画面をよく見るという人はしっかりと対策をして光老化をふせぎましょう!

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする