肌の老化は糖化が原因?そのしくみと予防法とは

糖化のしくみ

急激に血糖値を上げてしまうような食べ物を摂ると食べ物に含まれる「糖」が体のたんぱく質と結びついて炎症を起こし老化を早め、体の構造と機能を損傷する糖化最終生成物「AGE s」をたくさん増やしてしまいます。

これは劣化変性したタンパク質で、これが増えた肌はシワ、たるみ、シミなどが増え、血管や筋肉、骨も硬くなって変性し、アルツハイマー病や骨粗しょう症の原因となるとも言われています。この現象が「糖化」です。

もちろん糖は細胞のエネルギー源なので、炭水化物は不足なく摂らないといけません。穀物、いも類、果物などに多いですが、現代の食生活では白いご飯、白いパン、白砂糖など精製した「白い炭水化物」が増えています。これは繊維やビタミン、ミネラルがそぎ落とされているので、素早く分解されて「糖化」の原因になりやすいと言われています。なので、糖化を防ぐには「白い炭水化物」はできるだけ控えた方がいいでしょう。

糖化が起きると私たちの体はどうなる?

では、具体的に私たちの体で糖化が起きるとどうなるのでしょうか?

糖化は体温の熱が起因しているため、身体が「焦げる」とも表現されます。これはどういうことかと言うと、タンパク質を多く含む卵や牛乳を砂糖と混ぜて焼くとこんがりとしたきつね色に焼けますよね。これがまさに糖化反応というもので、料理の場合は風味が増していいかもしれませんが、体内で起きれば話は別です。

AGEsが真皮のコラーゲンに蓄積した場合はシワ、たるみ、シミなどが増えて、血管に溜まれば動脈硬化、脳ならアルツハイマー、骨なら骨粗しょう症といったように全身の細胞や臓器に多大な影響を及ぼします。

もしも最近、
・肌にハリがない
・口角が下がってきた
・ほうれい線が気になる
・頬やあごがたるんできた
・肌がゴワゴワして厚く感じる
・肌がくすんできた

といった症状があるなら糖化が起こり老化が進んでいる恐れがあるので、注意が必要です。

糖化を予防する方法

生きていくには糖が必要ですが、それが体のタンパク質と結びつくと炎症を起こしてAGEsが増えて糖化が起こり、老化が進行してしまうということも頭に入れておかなければなりません。

しかも年齢と共にAGEsは増えていき、特に肌のコラーゲン繊維に溜まったものはなかなか分解されずに肌の弾力を失わせ、シワやたるみを増やします。

また、糖化の問題以外にも、精製糖などの白い炭水化物は血糖値を急激に上げやすく、炎症を起こしやすく、炎症を起こしやすく、血流を悪くすると言われています。

急激な血糖値の上昇はその後の急激な低血糖も招くことから、キレやすくなったりイライラするなど人の精神状態にも影響します。また、白砂糖に多いショ糖は胃腸や血中で真菌や悪玉菌、ウイルスのエサになりやすいと言われています。

欧米人に比べて日本人は、血糖値を下げるインスリンを分泌する能力が約半分と言われていて、糖尿病患者も多いため特に気を付ける必要があります。そこで、これをきっかけに糖と自分がどう向き合うべきなのか、一緒に考えていきましょう。

炭水化物の食べ過ぎは控える

主食であるご飯やパン、パスタ、うどんなどの炭水化物は、分解されると最終的に多くの糖となります。体に必要だけど糖化を招きやすいこれらの食材との付き合い方としては、なるべく精製度の低いものを選ぶことです。

精製度が低いものの方が繊維が多く、血糖値を急激に上げないので糖化が進みにくいと言えます。ご飯であれば5分づきや7分づき、パスタも分づきのものがありますし、パンも全粒粉のものやライ麦パン、そしてうどんよりもそばを選びましょう。

ただし、いくら精製度が低くても量を食べ過ぎてしまえばやはり糖化は進みますので、炭水化物の食べ過ぎや、ラーメン&ライスなどの「W炭水化物」は避けましょう。

また、じゃがいも、さつまいも、里芋のうち要注意はじゃがいも。一番血糖値を上げやすい上に高温で揚げると、食品自体のAGEsを増やしてしまいます。さつまいもや里芋は繊維やムチンのおかげで血糖値の上昇はゆるやかです。また、ご飯はコシヒカリ系のモチモチタイプよりササニシキや亀の尾、旭一号などの高アミロース米のほうが血糖値を急激に上げにくいです。

砂糖はNG

ご飯やパンより、もっと気をつけないといけないものは砂糖やお菓子です。お米や小麦はブドウ糖がいくつも連なった多糖類の構造なので、分解するのにある程度時間がかかりますが、砂糖はブドウ糖が果糖とくっついているだけの「ショ糖」という二糖類ですから、さっと単糖に分解されて急激に血中が糖だらけとなってしまいます。もっとも気を付けたいのが清涼飲料水に入っている甘味料「ブドウ糖果糖液糖」や「果糖ブドウ糖液糖」。酸味料が入っているのでわかりにくいですが、500mlのペットボトルで角砂糖10個分が溶けている状態であると覚えておいてください。

調理に使う甘味料でオススメなのは「本みりん」。お菓子やドリンクに入れるなら「アガべシロップ」や「非加熱はちみつ」、「玄米水飴」などを選ぶようにしましょう。ココナッツシュガーやメープルシロップも砂糖よりはいいですが、真菌やウイルスのエサになりやすいショ糖がやや多いです。また果糖も血糖値の上昇は低いですが、悪玉AGEsをつくる原因となります。果物であってもたくさん食べ過ぎるのは禁物です。

糖化を防ぐ食べる順番

糖化は高血糖の状態の時に起こります。一番の糖化タイムは、食後1時間のあいだです。食後1時間後に血糖値が150mg/dlを超えていたら、その瞬間からかなり糖化現象が起きていると想像できます。

この食後1時間の高血糖を招かないために効果的だと言われているのが食べる順番です。

テーブルの上に①根菜の煮物②ほうれん草のおひたし③野菜サラダ④焼き魚⑤お味噌汁⑥ご飯、が並んでいたら、どの順番で食べると糖化を抑えられるのか考えてみてください。

最初に食べるといいのは①②③の野菜類ですが、中でも加熱していない③の野菜サラダから食べ始めるのがベストです。野菜には食物繊維が含まれるのであとから食べる糖質の吸収をゆるやかにしますし、サラダだと同じく糖質の吸収を抑えるお酢(ドレッシング)をかけて食べるので、なお良いんです。

野菜のあとは胃腸を温めて消化を良くする⑤を選びましょう。その後に④の焼き魚のような肉や魚などのメイン料理、最後に⑥のご飯のような炭水化物を食べるのが、糖化を防ぐ理想の順番です。

抗糖化作用のある食品

糖化を防ぐには食後1時間の血糖値の急上昇をいかに防ぐかが肝になりますが、実は調理法によって食品自体にもともと含まれるAGEsが増えてしまうこともあるのです。

食べ物として摂取したAGEsのうち約10%は体内にとどまり、肌や目の水晶体やひざの関節などに溜まって老化を促進します。

覚えておいてほしいのは、「茹でる、煮る、蒸す」より「焼く、炒める、揚げる」といった高温調理でAGEsは増えてしまうということ。ダントツに多いのが焼いたソーセージ、焼肉、麻婆豆腐、チーズ、フライドポテト、ポテトチップスです。

ただし、調理した食品から摂取するAGEsの方は、体内で起こる糖化に比べればそこまで気にする必要はありません。

逆に、体内で起こる食後の糖化を防いだり、体内に存在するAGEsを早く分解する食品は以下の通りです。

・葉菜

アメリカで2010年に発表された研究ではレタス、小松菜、キャベツ、白菜、などの緑色をした葉菜に、かなりの抗糖化力があったそうです。

・抗糖化作用のお茶

ローマンカモミール、どくだみ、シナモン、柿の葉、バロアッスル、熊笹、ヴァバ、ルイボス、桜、緑茶などには抗酸化作用があります。お茶として食後に飲みましょう。

・α-リポ酸

緑黄色野菜に多いα-リポ酸は皮膚のコラーゲン繊維へのAGEsの蓄積を抑制します。

・抗酸化物質

抗酸化物質は実は糖化を防ぐ上でも有効です。体内が酸化していると酸化も進みやすいことがわかっています。

・よもぎ

できてしまった、AGEsを分解する力があります。

・インドの研究

インドの国立栄養研究所での実験では生姜、クミン、黒こしょう、バジル、にんにくなどに抗糖化の効果があったようです。

・ビタミンB群

ビタミンB1には糖化を抑制する働きがあり、B6には皮膚や血中のAGEsを減らす働きがあります。肉以外だと大豆、ごまカシューナッツ、魚介類、酒粕、甘酒、、米ぬかなどに多いです。

糖を運動エネルギーに変える

糖化を防ぐには食後1時間が肝ですが、この時血液にあふれ出した糖を、できるだけ運動のエネルギーに変えてしまうという方法もあります。

・食後20分間ウォーキングをする

夕食後はなかなか難しいですが、朝食後や昼食後は実践しやすいと思います。これにより食後血糖値がかなり抑えられるので糖化も進みにくくなります。ちょっと大股で早足で歩くのがポイントです。

・夕食後はスクワット

家での夕食後は、時間が遅いと外に出るのはなかなか難しいですよね。そんな時はスクワットをすると良いようです。食後ですから頑張り過ぎず、スローなハーフスクワット10回を、休憩を入れつつ3セット行いましょう。おうちに階段がある場合は、階段の一番下の段を使って踏み台昇降をするのもいいです。10分程度上り下りしましょう。

糖化のしくみを理解して老化を防ごう

いかがでしたか?
私たちの食生活の中には老化の原因となる糖化のもとが潜んでいますが、その原因と対策さえ知っていれば老化を防ぐことができます。

ぜひ一度、 ご自分の食生活を見直してみてくださいね。

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